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ウロリチン A

ザクロや木の実に含まれるエラジタンニンの腸内代謝産物。マイトファジー (損傷ミトコンドリアの選択的分解) を誘導し、Andreux 2019 のヒト試験で筋持久力改善が報告されています。[Andreux PA 2019]

最終更新: 2026-05-09

水滴のついたザクロの実
Photo by Unma Desai on Unsplash

ウロリチン A とは

ウロリチン A は、体の中で腸内細菌が作り出す小さな物質です。

もとになるのは、ザクロやベリー類に多い、大きなポリフェノール「エラジタンニン」です。 これを腸内細菌が分解すると、ウロリチン A ができます。 大事なのは、ウロリチン A そのものは食品に直接は含まれない点です。 作られる量は、腸内細菌の顔ぶれによって、人ごとに大きく変わります。

研究では、大人の約 30〜40% が、ウロリチン A をほとんど作れないとされています。 作れるかどうかは、腸内細菌の状態と関係します。 つまり「ザクロを食べても効くかどうかは、腸内細菌しだい」という、個人差の大きい成分です。

サプリのウロリチン A は、化学的に合成したものです。 この個人差を避けて、決まった量を補える手段として作られました。

効くしくみ — 古いミトコンドリアの選別と処分 (マイトファジー)

中心となるしくみは、古くなったミトコンドリアだけを選んで捨てる、細胞の掃除です。 これを マイトファジーマイトファジーオートファジー (細胞内のリサイクル) のうち、特に傷んだミトコンドリアだけを選んで分解するもの。ウロリチン A などが誘導することが報告されている。 と呼びます。

ミトコンドリアは、細胞のエネルギー工場です。 年をとると、うまく働かないミトコンドリアがたまります。 それを取り除くことで、ミトコンドリアの働きが若返ることが期待されます。

これは、Auwerx 研究室を中心とした基礎研究で確かめられたしくみです。 線虫の寿命が延びた、マウスの筋肉のスタミナが上がった、といった動物での結果につながっています。

ヒト初の本格 RCT

このしくみが人でも起きるのか。それを初めて本格的に調べた試験があります。

Andreux らが 2019 年に Nature Metabolism に発表した論文です。 人に対するウロリチン A の安全性と、体の中での働きを調べた、 最初の本格的な RCTRCTRandomized Controlled Trial「ランダム化比較試験」。参加者をくじ引きのようにランダムに 2 つのグループに分け、片方には介入を、もう片方には介入なし (またはプラセボ) を与えて結果を比べる試験。条件をそろえやすく、「本当にその介入が効いたのか」を最も確実に確かめられる方法とされる。 (ランダム化比較試験) です[Andreux PA 2019]

対象は、健康な高齢者 (61〜85 歳) です。 1 回だけ飲む試験と、28 日間毎日飲む試験を、あわせて行いました。 参加者は全部で 60 名。人に初めて使う試験です。 毎日飲むパートでは、参加者を、偽の薬 (プラセボ)・250 mg・500 mg・1000 mg の 4 グループにランダムに分けました。

論文の結果:

  • どの用量でも、安全性に問題はなく、体に無理なく受け入れられた
  • 血液中のウロリチン A の濃度は、飲む量が多いほど上がった (吸収の確認)
  • 500 mg と 1000 mg では、骨格筋のミトコンドリアに関わる遺伝子の働き方が変わった
  • 血液中のアシルカルニチン (脂肪を燃やす働きの指標) のパターンが改善した
  • 4 週間と短いので、筋肉の力そのものなど、体の働きの変化までは調べていない

著者らは、「ウロリチン A は人で安全に使え、 ミトコンドリアやマイトファジーに関わる分子のパターンを変える」と結論しています。 動物で見えていたしくみが、人の体でも同じ方向に動くことを示した、重要な研究です。

その後の臨床研究

その後、体の働きそのものへの効果を調べた試験も出てきました。

2022 年の JAMA Network Open には、中年の成人を対象にした 4 か月間の RCT が載っています。 500 mg を 1 日 1 回とることで、脚の筋肉のスタミナ (くり返しの筋力テスト) が改善した、という結果です。 小〜中規模の研究ですが、体の働き (筋持久力) というはっきりした指標で、 良い兆しが示された点に意義があります。

ただし、寿命そのものや、心臓・血管の病気、認知症といった、 最終的な結果 (ハードアウトカム) への効果は、まだ分かっていません。

用量と入手

研究で使われた量と、手に入れ方をまとめます。

研究で用いられた量は、1 日 250〜1000 mg です。 現実的な目安は、1 日 500 mg です。 標準化されたウロリチン A サプリの代表は、Mitopure (Timeline Nutrition) です。 研究で使われたものと同じ品質の成分を提供しています。

ザクロジュースなど、エラジタンニンの多い食品 から摂る方法もあります。 ただし、次の限界があります。

  • 腸内細菌の顔ぶれによっては、ほとんど作られない
  • 食品から摂れる量では、研究で使われた量に届きにくい

そのため、腸内細菌を整える食事を続けつつ、確実さが必要なら標準化サプリを使う、 というのが選択肢になります。

期待値の調整

今どこまで分かっているのかを、正直に整理します。

ウロリチン A の現状は、こうです。

  • 人の RCT で、安全性と、分子レベルの働き が確認されている
  • 中年〜高齢者で、筋肉のスタミナに小〜中くらいの効果 が、複数の試験で報告されている
  • 心臓・血管、認知症、寿命といった 最終的な結果 は、まだ調べられていない

NMN や rapamycin と比べると、人のデータの厚みは中くらい に位置します。

注意点

使う前に、気をつけたい点をまとめます。

  • 妊娠・授乳中の安全性のデータはありません。避けてください。
  • ザクロジュースを大量に飲むと、腎臓の結石のリスクや、 薬の分解への影響 (CYP3A4 という酵素を抑える) があります。 この点では、サプリのほうが副作用の見通しを立てやすいといえます。
  • 基礎研究から実際の治療までの距離は、他の健康寿命系サプリより短めです。 その一方で、「これで寿命が延びた」と言える証拠は、まだありません

老化のしくみへの効き方

ウロリチン A は、老化の 3 つのしくみ (LEVEL 0 で整理) のうち、 酸化に対して最もはっきり効きます。 傷んだミトコンドリアを選んで捨てる マイトファジーマイトファジーオートファジー (細胞内のリサイクル) のうち、特に傷んだミトコンドリアだけを選んで分解するもの。ウロリチン A などが誘導することが報告されている。 を促すことで、 活性酸素 (ROS) を生む発生源そのものを入れ替えます。 その結果、酸化ストレス の入力を、細胞の中から減らします。 Andreux 2019 の人の RCT で、骨格筋のミトコンドリアに関わる分子のパターンの変化が観察されたことが、 その代表的な根拠です[Andreux PA 2019]

効き方は、慢性炎症と糖化にも広がります。 炎症のもとになる物質 (SASP) を出す老化細胞の中では、 傷んだミトコンドリアがたまっていることが多いものです。 それを片づける働きが、間接的に、 加齢に伴う慢性炎症 (inflammaging) のもとを減らす方向に働きます。 糖化については、ミトコンドリアの働きが整うと代謝が安定します。 平均血糖の改善を通じて、AGEs (体のこげのような物質) がたまるのを、 穏やかに抑える可能性があります。

3 つのしくみを、ミトコンドリアという同じ入り口からまとめて狙える。 これがウロリチン A の特徴です。 ただし、人での長期の効果は、まだ追試の段階にあります。

まとめ

  • ウロリチン A は、マイトファジー (古いミトコンドリアの掃除) を促す代謝物です。
  • 人の RCT で、安全性と、ミトコンドリアに関わる分子のパターンの変化 が確認されました[Andreux PA 2019]
  • その後の中規模の RCT で、筋肉のスタミナの改善 も報告されています。
  • ザクロやベリーを食べても、腸内細菌の有無で、作られる量に大きな個人差があります。
  • 確実さが必要なら 標準化サプリ を、まずは食事から始めるのも妥当です。

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Andreux 2019 (Nat. Metab.) の第 1 相試験で、ウロリチン A の経口投与は健常高齢者で安全かつミトコンドリア・脂質代謝関連遺伝子の発現を改善した。ヒトでの臨床アウトカム (筋力・寿命) はまだ予備的。本製品は『腸内細菌の産生能に左右されないウロリチン A 摂取』の選択肢で、製品自体の独立 RCT はない。

利点
  • 国内 GMP 製造で、保存料・着色料 不使用を訴求
  • 腸内細菌の代謝能に依存しない経路でウロリチン A を補充できる
  • Mitopure 等の海外ブランドより流通が安定
懸念点
  • 1 日量と純粋ウロリチン A 含量の表記が曖昧で、Mitopure (500 mg/日) との直接比較ができない
  • ヒトでのハードアウトカムは未確立
注意事項
  • · 妊娠・授乳中の安全性データなし
  • · がん既往・治療中の方は医師相談を推奨
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References

  1. Andreux PA, Blanco-Bose W, Ryu D, et al. (2019). The mitophagy activator urolithin A is safe and induces a molecular signature of improved mitochondrial and cellular health in humans. Nature Metabolism, 1(6), 595-603. doi:10.1038/s42255-019-0073-4
    RCT (ランダム化比較試験)根拠: 予備的

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